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右大臣実朝 [テレビ番組]

パリの宝とも言えるノートルダムの屋根が火災崩落と。
どうもマクロンが大統領になってからフランスは碌なことがないなあ・・・
彼のせいではないんだけど。

さて今日も朝ドラから。
今日は草刈正雄が「わしを調略する気か!?」と言ったのでその筋の人たちは大喜び、と。
でもわたしが「おっ」と思ったのは別の台詞で・・・

夕食の最中、藤木と草刈が口論のような状態になるのだが、そこでの草刈正雄のせりふ。
「わかった、電気いらん。明日電信柱引っこ抜け!世の中無駄に明るくなりすぎると
大事なことが見えなくなる」
これ。

わたし、これを見ていて「おっ、実朝?」と思った訳でして・・・
実朝とは太宰の右大臣実朝のこと。その中にこんな一節があります。

アカルサハ、ホロビノ姿デアラウカ
人モ家モ暗イウチハマダ
滅亡セヌ

わたしは太宰、一つも読んだことありません。人間失格もメロスも。
でもこの実朝の一節だけは知っています。なぜか?

わたしがこれを初めて見たのは宇宙海賊キャプテンハーロックのアニメです。
これの最終回の最終カットがこの一節のテロップだったのです。
当時中学生?だった私はなぜこのテロップが?と不思議に思ったものでしたが
大学生くらいには何となくわかってきました。
このアニメは松本零士の原作ですが松本ワールド完全無視でプロデューサーの
りん・たろうが独自の解釈で作りきった傑作アニメで松本ファンからは総スカン
でも好きな人は好き、という作品になりました。私は超がつく大ファンです。

ちなみにこの作品の第一話の最初はこんなナレーションで始まります。
「地球の海が死滅したとき人々は言った、人類の終わりの時が来たと。
頭上に広がる無限の海になぜか目をつむり、人類の行く末をひたすら嘆いた。
新しい人類の輝かしい未来を信じて、新しい無限の海、宇宙へ歯を食いしばって
乗り出していったわずかばかりの男たちのことを、この人々は指さしあざ笑った。
儚い夢を追う無法者と。これはそういう時代の物語である。時に西暦2977年。」

松本マンガでは絶対に出てこない文章だと思いますね。このナレーションが最後の
実朝のテロップにもつながっているのかな?と思います。

というわけで、朝、ドラマを見ていて「ん?実朝?脚本の人、太宰のファンなのか?」
と思ったと言うことでして・・・

この一節、非常に大ざっぱに言えば、草刈正雄の言うように
「浮かれすぎると転ぶよ」ということかと思います。
私が大学生のころはバブルが始まろうとしている時でしたので、
このアニメでなぜ実朝のテロップが最後の最後に出たのか、なんとく分かったような
気がしたものです。実際思い切り転んだ訳ですし・・・

ハーロックが作られたころはヤマトが成功してアニメが商売になると思われ始めた時代で
粗製濫造の時代がくるちょっと前だったので、作り手も結構気合いが入っていたと思います。
少年向けのアニメで右大臣実朝なんて今なら絶対出てこないでしょうね。
今は、君の名はみたいなおしゃれな感じが流行りなんでしょ?きっと。見たことないけど(爆)

またしっかり物語に力を込めた作品が作られるといいんですがね?じじいの戯言かな?

PDVD_001.JPG
ハーロックの最終カット

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