公知の事実

オリンピックのロゴ問題。
なんとなく状況がわかった。

記者会見のニュースによれば、ベルギーのデザインは知らなかった。そしてベルギーのデザインは商標登録されていない。
ということ。

私は今でも盗作だと思っているのだけれど、まあ知らなかったとして、これはありなのか？

私がかつて身を置いていた技術の世界では完全にアウトである。
知らなかったは通用しない。

特許を申請するときは反吐が出るほど調査をしてやっと申請できる。それでも会社の特許課で却下されることもあるし
特許庁で却下されることもある。もちろん別の組織からそれは俺たちの特許と言われることもある。

要するに今回は調査不足と言うことになる。

しかし、今回のベルギーのデザインは商標登録されていないのだという。となると調査から漏れる可能性は高くなる。
今回こんなデザインが選定されてしまった理由は単なる調査漏れだろう。
なのでベルギー側の差し止め請求は無効である。商標登録されていないのだから。

が、である。これで解決ではないのではないかと思うのだ。

特許の場合、権利化出来ていない特許未満は山ほどあるのだが、これは無力ではない。
公知の事実として特許でもなんでもないよ、という技術になる。
よって、似たような技術を考えついても、もう後から特許化することは出来ず、誰でも自由に使える技術になるのだ。
これは無駄なロイヤリティーを払わないための戦術として大抵の会社がやっていることだ。

デザインの世界はどうなっているのか知らないが、わたしが特許庁の職員なら今回のオリンピックのロゴは
商標登録を却下するだろう。だってそっくりなデザインがあって、要は公知の事実なのだから。
これってありか？

オリンピックの公式ロゴが商標登録されていないなんてあり得るだろうか？
どんな悪徳業者がベルギー風のデザインを使ってオリンピック公式を謳って粗悪商品を売っても、誰も処罰出来ない。
損害を被った人から日本のオリンピック委員会のせいだ、と訴えられたら確実に敗訴だろう。

やはり今回のデザインは取り消した方が安全だなと思いますね。